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知らないと損する?交通事故の賠償金3つの基準と4つのポイント

2019-10-13

交通事故の被害にあって、つらい思いをして病院に通っているのに、保険会社から治療を打ち切ると言われて驚いていませんか。保険会社からこれが基準額いっぱいだと言われて賠償金は適切な金額ですか。一度、弁護士にご相談してみてはいかがでしょうか。

賠償金の3つの基準

賠償金には、3つの基準があります。あなたが保険会社から提示された賠償金の金額は一番安い基準で算定されたものかもしれません。

3つの基準とは、自賠責保険の基準、任意保険の基準、弁護士(裁判)の基準です。自賠責保険基準、任意保険基準、弁護士(裁判)基準の順番で高くなっていきます。尚、任意保険と自賠責保険については、ケースによっては自賠責保険の方が高くなることもあり、注意が必要です。

任意保険会社は自社が独自に作成している基準があり、弁護士会の基準よりも低い額で設定されています。保険会社の担当者が基準上限額と説明することがありますが、それは自社独自の基準の上限額だと説明しているだけで、弁護士会の基準よりも低い額なのです。

示談の交渉を弁護士に依頼すれば、保険会社が提示している賠償金が弁護士会の基準に近いものであるかが分かりますので、低い金額で示談することはなくなります。

賠償金で支払われるもの

1. 積極的損害(交通事故により出費をした損害)
具体的には、治療費、入院諸経費、付添看護費、通院交通費、装具・器具購入費、家屋改造費です。

2. 消極的損害(交通事故がなければ得られた利益を損害とするもの)
具体的には、休業損害、逸失利益です。

3. 慰謝料
死亡慰謝料、入通院慰謝料

4. 物損
修理費、代車料等です。

 

交通事故の後で争いになる4つのポイント

1. 過失割合

過失割合は、過去の裁判例に従って事故の態様によって類型化されています。過失が0であるケースは少ないのですが、相手方が自分の過失は0であると主張して示談ができない場合があります。このような場合には訴訟を提起して判決により過失割合を判断してもらう必要があります。弁護士に依頼して適切な過失割合のアドバイスをもらいましょう。

2. 後遺障害

交通事故により傷害を負って治療をしていても、これ以上良くも悪くもならない状態になった場合を症状固定と言います。症状固定となった場合、後遺障害等級が認定されれば、後遺障害の等級に応じた慰謝料と労働能力の喪失に応じた逸失利益が支払われます。

後遺障害として認定されなかった・・・思っていたよりも等級が低かった・・・このような場合には、自賠責保険に異議申立をしてみるべきだと思います。詳しくは弁護士にご相談下さい。

3. 慰謝料額

死亡の場合と怪我をして障害が残った場合に分けられます。死亡の場合は、亡くなった方の慰謝料と遺族の方の慰謝料が認められます。怪我をした場合は、入院・通院の慰謝料、後遺障害の慰謝料が認められます。慰謝料は精神的な損害を金銭に評価するものであるため、保険会社の基準の金額と裁判の基準では大きく違います。

4. 休業損害

休業損害は、自営業者、主婦の方について、休業損害を算定するための基礎収入をどのように考えるのかが一番問題となりやすいです。個々のケースで違いますので、詳しくは弁護士にご相談下さい。

 

 

相続手続の基本的な流れを弁護士が解説します。

2019-10-13

相続が「争族」にならないように。

悩んだらまずはご相談

家族を亡くされたばかりなのに悲しみにくれている暇もなく、相続の手続をしなければなりません。相続は人生に与えるインパクトが大きい問題です。仲の良かった兄弟姉妹が親の遺産を巡って争う様子はまさに「争族」。このような家族の問題は他人に相談することができず、ストレスが大きいです。一人で悩まずに弁護士にご相談ください。あなたのお悩みを解決できる方法をご提案いたします。

他の専門家との連携

相続の際には、相続税の申告が必要な場合がありますが、経験豊富な税理士と連携して、節税対策となるような遺産分割のプランをご提案できます。また、不要になった不動産を売却する場合にも、北陸地域で任意売却実績が多い不動産業者をご紹介できます。

遺産分割

遺産分割の流れ

 

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遺言書作成

死後に家族が遺産についてトラブルになることを防ぎたい
財産を残したくない相続人がいる
内縁の夫・妻との間の子どもに財産を残したい
あなたの死後、あなたの考えを相続に反映させるため遺言書を作成するメリットがあります。
また、遺言は公正証書遺言をお勧めしております。

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遺留分減殺請求

遺留分とは、一定の相続人のために、相続に際して法律上取得することが保障されている遺産の一定の割合のことです。
遺留分の権利があるのは亡くなった方の配偶者、子(孫)、直系尊属(例:親・祖父祖母)です。亡くなった方の兄弟姉妹は遺留分権利者ではありません。

遺留分の割合

全体の割合
遺留分権利者が直系尊属のみの場合は、被相続人の財産の3分の1
それ以外の場合は、被相続人の財産の2分の1
上記の割合を法定相続分に従って分配したものが具体的な遺留分権になります。

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相続放棄

相続財産は、マイナスの財産=借金も含まれています。プラスの財産だけ相続して、マイナスの財産を相続しないことはできません。疎遠で長年行方不明だった親族の借金の返済を求める督促状が届いて、驚かれて相談される方も多いです。

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不動産業者必見!賃貸の仲介手数料が半減してしまう裁判例が出される

2019-08-14

令和元年8月7日東京地方裁判所で不動産業者にとっては打撃となる可能性のある裁判例が出されました。

仲介業者が家賃1ヶ月分の手数料を請求する場合は、物件の仲介をする前に借主の承諾を得る必要がある。

国土交通省告示(昭和45年10月23日建設省告示第1552号)「宅地建物取引業者が宅地又は建物を売買などに関して受け取ることができる報酬の額」で、宅地建物取引業者が賃貸の仲介手数料として受け取ることができる額が定められています。
https://www.mlit.go.jp/common/001213871.pdf

国土交通省の告示によれば、仲介業者は賃料の1ヶ月分に相当する金額を上限として仲介手数料を受け取ることができると定められています。
そして、借主から受け取ることができる報酬の額は、借主の承諾がある場合を除いて、賃料の1ヶ月分の50パーセントまでしか受け取ることができないと定められています。借主の承諾があれば賃料の1ヶ月分を仲介手数料として受け取ることができるとされています。
借主の承諾を得ることができなければ、残りの賃料の1ヶ月分の50パーセントは家主から貰いなさいといのが法律の原則となっています。
しかし、これまで不動産業者は、賃料の1ヶ月分の仲介手数料を借主から貰っていました。

東京地裁の判決は国土交通省の告示の通りの原則論に従って、借主から受け取ることができる仲介手数料は賃料1ヶ月分の50%という判断を示したものです。東京地裁の判決に従えば、これまでのとおり、賃料1ヶ月分の仲介手数料を支払ってもらうためには、借主の事前の承諾が必要となります。
そして、賃料1ヶ月分の仲介手数料を支払うことの承諾が有効といえるためには、原則は半月分なのだけれど、1ヶ月分を支払ってくださいと説明しなければならないでしょう。
しかし、このような説明を受けて1ヶ月分の仲介手数料を支払う人はいません。
他方で、現実問題として賃貸オーナーから、残りの半月分を請求することもできません。
そうすると、不動産業者にとっては、仲介手数料収入が半減するという結果となるのです。

東京地裁の判決はまだ確定したものではありませんし、この裁判例が一般化しているものではありませんが、この裁判の行く末を見守る必要があると思います。判決文を入手できれば詳しく分析する必要もあるかと思います。

賃貸オーナー様・不動産会社様から依頼を受けて不動産訴訟を多く扱っている当事務所は、この裁判例の帰趨を見守って、今後のブログでも取り上げる予定です。

ゴキブリ・ハエなどの害虫が発生した場合に大家がすべき対策

2019-05-29

賃貸物件の大家さんから、ゴキブリなどの害虫が発生した場合の大家さんの法的な責任ついてのお問い合わせが続いています。

入居者からゴキブリが発生しているので退去したい、退去に際して引っ越し代を負担して欲しいと言われて、お困りの大家さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

また、駆除業者に頼んだのに完全に駆除しきれず、入居者からクレームが来ている大家さんもいるのではないでしょうか。

結論から言いますと、大家さんは、専門業者に頼んで害虫駆除を行い、さらには駆除業者のアドバイスに従って発生原因を調査していれば、完全に駆除することはできなくても、責任を問われることはないでしょう。

詳しく知りたい方向けの解説

少し詳しく知って安心しておきたい大家さん向けに解説します。

賃貸人は、賃借人が建物を使用収益するのに支障がないようにするため,一定の限度で害虫駆除の義務を負います。そのため、建物そのものに害虫の発生原因がある場合、建物を修繕するなどして害虫・害獣の発生を防止する必要があります。

害虫駆除義務に違反した場合は、賃貸人に債務不履行があったとして、賃貸人は契約の解除と損害賠償の責任を負うことになります。

しかし、賃貸人は害虫を完全に駆除する義務まではありません。そうでなければ不可能なことを賃貸人に強いてしまうからです。

賃貸人としては、害虫駆除の専門家である業者に依頼して駆除を行わせ,かつ,害虫駆除業者から指摘された発生原因の調査を行っていれば、害虫駆除義務を尽くしていたことになり、上述したような、賃貸人は損害賠償の責任を負いません。

東京地裁平成25年12月25日判決は、虫駆除の専門家である業者に依頼して駆除を行わせており,かつ,害虫駆除業者から指摘された配管調査も管理会社に行わせており,賃貸人として必要かつ可能な対応はしていたとして、賃貸人の債務不履行は認めませんでした。

東京地裁平成24年6月26日判決は、コバエの発生の主たる原因は建物内の汚水槽の機能や機構にあるなどと認定し、賃貸人の債務不履行を認め、損害賠償責任は認めましたが、賃貸人と賃借人の間の信頼関係が破壊されたとはいえないとして、賃貸借契約の解除は認めませんでした。

2つの判決の結論の違いは、害虫の発生原因が建物そのものであることが判明しているかどうかであると考えられます。

東京地裁平成21年1月28日判決は、ネズミが侵入していることについて、ネズミの侵入を阻止するよう措置をとる義務が賃貸人に直ちに生じるものではないし,建物に侵入したネズミの事後的駆除も,建物を占有する賃借人が行うべきであるとしています。

参考判例

東京地裁平成25年12月25日判決

「原告は,建物賃貸借契約における賃貸人であり,賃借人に対し,賃貸建物を使用収益させる義務を負うところ,本件賃貸借契約における賃借人である被告会社は,本件貸室においてネイルサロンを営業しており,その衛生管理上,チョウバエの発生が好ましくないこと(乙11)は明らかである。そうすると,原告が認めるとおり,原告は,賃借人たる被告会社が建物を使用収益するのに支障がないようにするため,一定の限度で害虫駆除の義務を負うべきものといえ,もとより完全駆除を達成できることが望ましい。しかしながら,当該義務は不可能を強いるものではないというべきである。
 原告は,害虫駆除の専門家である業者に依頼して駆除を行わせており,かつ,害虫駆除業者から指摘された配管調査も管理会社に行わせており,賃貸人として必要かつ可能な対応はしていたというべきである。そして,管理会社による調査の結果,漏水等のチョウバエ発生源をうかがわせる具体的兆候が発見されなかったという状況のもとでは,それ以上の専門業者による配管の調査等を行うべき義務があったとまではいえない。また,チョウバエ類の駆除については,発生源の特定とその除去が大切であるとされていることが認められるが(乙12,14),害虫駆除の専門家ではない原告が,専門家である駆除業者が行った駆除方法を信頼することは無理からぬことであり,可能な範囲で指摘された配管の調査もしているというべきであるから,発生源の特定と除去に至らなかったという結果をもって,対応が不十分であるということもできない。そもそも,本件におけるチョウバエ発生源が本件建物自体の瑕疵であると認めるに足りる証拠もない。よって,結果的にはチョウバエ類の完全駆除に至らなかったものの,そのことをもって,賃貸人としての債務不履行と認めることはできないというべきである。
 そうすると,被告会社による本件解約通知書による解約通知は,本件賃貸借契約の契約条項第8条(1)による解約申入れと解するのが相当である。」

東京地裁平成24年6月26日判決

「賃貸人である被告は,その賃貸目的に従った使用ができるよう本件建物を維持,管理する本件賃貸借契約上の義務がある。ところが,上記1の認定,判断のとおり,本件建物では一定期間コバエが発生し,その主たる原因も本件建物の本件汚水槽の機能や構造にあったと認められるところ,証拠(甲77,証人F)によれば,そのコバエの発生期間中,従業員が不快感を持つとともに,事務に集中できないなどの支障も生じたほか,コバエ対策のため総務担当の事務員がゴミの処理について従業員に注意を促す広報に従事するなど余分な事務が増え,さらには,外部からのコバエの侵入を防ぐ趣旨で窓を開けられないとか,外部から来た客の不快感に苦慮するなど,本件賃貸借契約の目的に沿った原告の利用が一定程度妨げられる事態が生じていたことが認められるのであるから,本件賃貸借契約上の債務に不履行があったというほかない。」

東京地裁平成21年1月28日判決

「建物の賃貸借契約において賃貸人が賃借人に対し負う義務は,賃借人がその使用目的にしたがって建物を使用収益できる状態にして引き渡せば足りるもので,その後,建物にネズミ等の生物が侵入するようになり,建物の使用に影響を与えるようになったとしても,ネズミ等の建物内への侵入自体は,当該生物と建物を使用する賃借人の使用状況との相関関係により生じる事態であって,賃貸人の管理の及ばない事項である以上,この侵入を阻止するよう措置をとる義務が賃貸人に直ちに生じるものではないし,建物に侵入したネズミの事後的駆除も,建物を占有する賃借人が行うべき事柄である。」

賃貸物件で孤独死があった場合に大家がすべき対策

2019-04-23

アパート・マンション内での孤独死・自殺があったというオーナー様からのご相談が増えています。

孤独死・自殺を発見されるのはほとんどの場合異臭騒ぎがあって、オーナーや管理会社が鍵を開けて入室した場合が多いのではないでしょうか。そのため、部屋を特殊清掃する必要がありますし、壁や床に異臭が染みついていることもあります。

特殊清掃の費用だけで10万円近くかかりますし、壁や床の異臭を除去するために壁を張り替えたりするとなると、100万円もの費用になります。

異臭等を早く除去するためには部屋の中の荷物を出して清掃を行う必要があります。しかし、オーナーは部屋の荷物を勝手に運び出したり処分したりすることはできません。相続人がいる場合、部屋の中の荷物は相続人が相続しているからです。また、清掃費用等は誰が負担するかというと、亡くなった方の相続人が負担するということになります。

そこで、オーナーとしては一刻でも早く相続人に連絡して、部屋の荷物を撤去してもらうことと、清掃費用を支払ってもらうことの交渉をする必要があります。

しかし、孤独死するような方は、相続人がいない場合もありますし、相続人が相続放棄をしてしまうこともあります。特に、相続放棄は相続開始を知ってから3ヶ月以内にすればよいので、3ヶ月も清掃を行えないということもあるのです。

私の経験では、相続放棄が完了するのを待っていたため長期間清掃を行えず、上の部屋の住人が異臭のために引越することになり、その引っ越しための費用をオーナーが負担しなければならなかったというケースもありました。

こうなるとオーナーにとっては踏んだり蹴ったりの結果です。事故物件ということで家賃も下げなければなりませんし、清掃等の費用はオーナー負担となり、大きな損失となります。

相続人は、相続財産の処分をすると相続放棄できなくなることを理由として清掃をすることを拒否されることもあるので、速やかな清掃が行えなくなることもあるのです。

しかし、

  • 価値のない物を処分しても相続放棄はできる。
  • 荷物を出して管理しているだけは相続放棄はできる。
  • 相続人は、相続放棄をしても相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならないという義務が生じるため、清掃できないことで生じた損害の賠償責任を負う場合もある。

このようなことを説明をして、相続人に荷物を引き上げてもらうか、全く無価値なものしか残っていない場合は処分して貰って、清掃を行うこともあります。相続放棄を考えている相続人が心配しているのは、荷物を撤去をしたことによって相続放棄ができなくなるのではないか?ということだからです。

また、相続放棄を検討している相続人にはいろいろな条件を出して交渉して相続放棄をしないようにする必要もあると思います。例えば敷金以上の損害賠償を求めない等の条件を出して、荷物の撤去をお願いすることもあります。これで相続人は放棄しないこともあります。

孤独死があった場合の原状回復費用として認められる範囲

東京地方裁判所平成29年9月15日判決では、大家が請求した原状回復費用63万6321円が認められています。特に、死臭が残るなどしたため、大掛かりな原状回復が必要として55万3284円を認めている点が注目されます。

参考

「(3) 原状回復費用について
  ア 証拠(甲6の1・2、甲8の1~4、甲18)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、〈1〉クロス剥がし及び畳処分費用として合計4万3200円、〈2〉害虫対策費及び養生費として1万1437円、〈3〉応急の原状回復をする間、作業車の駐車のため、原告使用車両を時間貸し駐車場に駐車せざるを得なくなったことによる駐車場代として1400円を支払ったことが認められる。
  イ 証拠(甲7、18)及び弁論の全趣旨によれば、遺体が2か月半放置されたことにより死臭が残るなどしたため、大掛かりな原状回復が必要となり、その費用として55万3284円が必要となることが認められる。
  ウ 証拠(甲9、18)及び弁論の全趣旨によれば、亡Aは本件建物の鍵を1本紛失して返還していないため、鍵の交換費用として2万7000円が必要となることが認められる。」

家主さん必見!建物の明渡しの強制執行をすることができない場合の対処法

2019-04-05

富山・石川・福井県のような寒いところでは、12月〜3月は建物の明渡ができないないことがあります。

2月に建物の明渡しの強制執行ために執行官と一緒に現地に行きました。当日は、雪もちらついて寒い日でした。なんとなく嫌な予感がしました。執行官が「過酷執行」と判断して、追い出してくれないのではないか?と思いました。

過酷執行という難しい言葉が出てきましたが、執行官は賃借人が高齢者・病気の方・生活困窮者の方のような場合で追い出されると行き場所のないような人のである場合、強制的に追い出してくれないのです。

富山・石川・福井県では12月〜3月は寒い時期ですので過酷執行と判断され易い傾向にあります。実際に私が執行官と一緒に行った現場でも、執行官は過酷執行であるから今日は強制的に追い出しをしないと言いました。

結局、暖かくなる4月まで強制的な追い出しはしないということになりました。強制的に追い出すことができるまで2か月先に延びてしまいました。

建物明渡の裁判をするためには、家賃の滞納が6か月程度なければ裁判所は明け渡しを認めてくれません。裁判が終わるまでどんなに早くても、訴えをした日から2か月ぐらいは必要です。そこで、ようやく、強制的に追い出すことができるようになります。

強制的に追い出す手続きも、申立をしてから1か月ぐらいたってから始まります。

そうすると、家賃の滞納は10か月近くになってしまうのです。

そもそも家賃を滞納して追い出さなけれならない賃借人は、もともと収入が低い人ですから、滞納された家賃を支払ってもらうことは諦めなければなりません。

10か月分も家賃を滞納されているのに、過酷執行ということで強制的な追い出しができず、暖かくなるまで延ばされると、家賃の滞納が1年分ぐらいになってしまうのです。家主さんにとっては大打撃で、ローンの返済計画も予定を変更しなければならないこともあります。

できる限り冬に強制執行をすることは避けたいのですが、時期的にどうしても避けることができない場合もあります。そこで、生活保護を受給させて次の移転先を見つけてもらって退去してもらったこともあります。

強制的に追い出すことは大変なので、日ごろから滞納が発生しないように監視しておくことが大事だとおいうことがお分かりいただけたでしょうか。

私の経験からすれば家賃を3か月滞納する人はその後の家賃を支払うことはできないことが多いので、2か月滞納があれば、退去の話し合いの交渉を始めたほうがよいとアドバイスをしています。このとき、滞納家賃を免除するので出て行って欲しいというのがポイントです。

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