労働問題は最初の対応を誤ると深刻なトラブルに発展する可能性が高い問題です。労働基準監督署の調査が入ったり,外部の労働組合から団体交渉の申し入れがあったりした場合,直ちに弁護士に相談すべきです。労働問題は、できる限り未然に防いだ方がよいですし,万が一労働問題が起きた場合,迅速に適切な対応をとることが大切です。
未払残業代
労働基準監督署の調査が入った後,従業員から残業代を請求されたケース
退職した社員から,残業代を請求されたが対応策をかんがえていたところ,労働基準監督署の調査が入った。
労働基準監督署に調査に入られた場合、最大で2年分まで遡って未払い残業代を支払うよう是正勧告が出されます。
また,残業代の支払いを求めて裁判を起こされた場合,判決となると,未払残業と同額の付加金を科される場合もあるのです。簡単に言えば,裁判の場合,未払残業代は倍払いになる可能性があるということです。
未払残業代が深刻なのは,一人の従業員で終わらない可能性があるのです。一人にだけ残業代を支払っていないということは通常は考えられませんから,残業代請求は全従業員にまで拡大する問題なのです。
従業員の解雇
従業員を解雇したら,会社の外部の労働組合から団体交渉を求められたケース
能力が足りない従業員を解雇したら,労働組合から解雇が不当であるから撤回するように,外部の団体交渉をするように求められた。
経営者が会社内に労働組合がないと思っていても,労働者は会社の外部の労働組合に加入することができるのです。従業員を解雇した場合,従業員が会社の会部の労働組合に加入し,その労働組合が解雇の撤回を求めて,団体交渉を申し入れることがよくあります。このような外部の労働組合は数多くの団体交渉をしているので,簡単には団体交渉が終了しません。この団体交渉を正当な理由もないのに断ると不当労働行為となって損害賠償請求をされる可能性もあるのです。
さらには,解雇を争って裁判を起こされた場合,沢山の時間とコストが犠牲になってしまいます。解雇は,解雇の理由が客観的に合理的な理由があり,社会通念上相当といえる場合に限って,有効となります。そこで,従業員を解雇するに際して,解雇が有効となるのかを事前にチェックする必要があります。
解雇や残業代請求等の労働問題を扱った経験があるので,適切なアドバイスをすることができます。